高齢化社会を支えるIoT技術とその推進の課題 ~タイ~

タイは日本と同様に高齢化社会という問題を抱えています。
このまま高齢化が進めば、高齢者の医療コストは、国のGDPの伸びを超えるペースで進みます。
そしてIoTは、この問題を解決するための重要なテクノロジーになります。

患者にウェアラブルデバイスを装着してもらい、無線通信で患者の健康データを収集すれば、より効果的な健康ケアが出来ることは明らかです。

このようなIoT化を進めるために必要な課題として、プライバシーの問題と無線信号の干渉がありますが、どちらも政府による規制が必要です。
政府による、データプライバシー法を強化と、無線の周波数スペクトルの割り当てです。

無線信号の干渉に関しては、NBTCが920-925MHz帯をIoT用途にライセンス不要で割り当てる方針であると以前述べています。

Thailand4.0を掲げているタイは、今後国家をあげてIoT化を進めていくでしょう。ただし、重要なのは国家によるインセンティブの提供よりも、腐敗のない政府を作り海外投資家にとって魅力のある投資先にすることだと専門家は述べています。

またタイの大学では、IoTの実証実験に時間をかけすぎていて、実験を終えたころには古い技術になっていることが少なくないようです。

これは、タイばかりではなく、他の国でもあてはまるのではないでしょうか。

「議論ばかりしていて、行動までに時間がかかる」ではなく「とにかくやってみる事から始める」にシフトしていかなければ、進化のスピードが桁違いに早いこの時代において、社会の役に立つ技術を産み出す事はできないでしょう。

参考記事:
http://www.bangkokpost.com/tech/local-news/1268639/experts-spell-out-key-issues-for-iot